相続手続

被相続人が亡くなると、そのときから被相続人の財産は法定相続人全員の共有財産となります。

そのため、法定相続人のひとりが勝手に財産を処分したり、名義変更をすることはできません。

遺産分割では、被相続人が遺言をのこしていればその内容が優先されるので、まずは遺言書を探します。探す順番は、公証役場→法務局→自宅等がおすすめです。

自宅で遺言書が見つかった場合は、開封しない状態で家庭裁判所に持って行き、検認手続を行います。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せて、法定相続人を確認します。

被相続人に子がいない場合は、被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍謄本も集め、兄弟姉妹や甥姪を確認し、相続関係説明図を作成します。

被相続人がのこした不動産、預貯金、現金などのプラスの財産と、借金や未払金などのマイナスの財産をすべて調べて、 相続財産目録を作成します。

法定相続人が複数いる場合は、全員で遺産をどのように分けるかを話し合います。

しかし、相続放棄をしたい人がいる場合は、すぐに遺産分割協議に入れません。相続放棄の手続を家庭裁判所で手続を行う必要があります。相続放棄をした人は、はじめから相続人でなかったものとみなされ、遺産分割協議に参加しません。

また、認知症や知的・精神に障がいのある人、未成年者、音信不通の人がいる場合も、すぐには協議に入れません。家庭裁判所で成年後見人、特別代理人、不在者財産管理人の選任などの手続が必要です。

このように、誰が遺産分割協議に参加するのかを確定させ、誰がどの遺産を引き継ぐかの全員の合意ができたら、遺産分割協議書を作成します。

なお、法的に有効な遺言があるときは、遺産分割協議を行わないこともあります。

不動産や預貯金などの名義を、被相続人から実際に相続をする人へ変更する手続を行います。

不動産については、自分が相続人であり、相続財産に不動産があることを知ったときから3年以内に相続登記をしなければなりません。