遺言書

遺言書は、作っておくことでさまざまなメリットがありますが、書き方・作り方によっては無効になったり、遺族に誤解をあたえてトラブルを招いてしまう恐れもあります。

せっかく遺言書を作るのであれば、きちんとあなたの想いが伝えられ、きちんと実現できるものにしたいものです。

当事務所では、遺言書の作成支援を通して、ご家族や大切な方が相続トラブルに巻き込まれることを防ぐお手伝いをいたします。

目次

遺言とは

遺言は、あなたの想いを伝える最後の方法です。

遺言書に書いて法的に実現できることは、相続のこと、財産の処分のこと、お子さんの認知など身分のことなどに限られています。

このほかに、どのような想いで遺言の内容を決めたのかや、ご家族や大切な人への最後のメッセージを書くことも可能です。これを付言事項といいます。

そのため、遺言は大切な人への「最後のラブレター」ともいわれています。

遺言書を作るメリット

自分の希望する遺産配分ができる

例えば、「こどもがいないので、妻に全財産をのこしたい」「お店を継いでくれた長男に少し多めに遺産を相続させたい」など、自分の希望する遺産の配分が実現できます。

遺族の負担を軽減できる

原則として遺言の内容どおりに遺産が分割されるため、遺産分割協議が省けます。そのため、遺産の分割をめぐる相続人間のトラブルを起こす可能性を低くしたり、相続手続が早く進めることができます。

相続手続がスムーズに進むことで、配偶者の相続税額の軽減や、小規模宅地等の評価減の特例など、期限内に申告しなければならない相続税の軽減制度が利用しやすくなる、というメリットもあります。

相続人以外に遺産を渡せる

例えば、こどもの配偶者、相続権がない孫・甥・姪、事実婚・同性カップルのパートナー、お世話になった人や慈善団体など、民法で定められた相続人以外にも、遺贈というかたちで遺産を渡せます。

遺言書の種類

公正証書遺言

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成に直接かかわる遺言です。

公正証書遺言は、遺言者本人が、公証人と証人2名の前で、遺言の内容を口頭で告げ、公証人が、それが遺言者の真意であることを確認した上、これを文章にまとめたものを、遺言者および証人2名に読み聞かせ、または閲覧させて、内容に間違いがないことを確認してもらって、遺言公正証書として作成します。(日本公証人連合会

信頼性が高く、要件不備で無効になることがほとんどないというメリットがある反面、作成費用がかかる、作成までに手間がかかるといったデメリットもあります。

公正証書遺言の作成手数料は、財産額や遺言の内容・分量によって変わります。くわしくは、日本公証人連合会のサイトでご確認ください。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、自分の手書きで作る遺言です。

自分ひとりで作成でき、証人が必要なく、作成費用もほとんどかからないというメリットがある反面、民法で定められている要件に従って遺言書を作らないと無効となってしまうというデメリットもあります。

自分で遺言書を作ったけれど、「遺言書をなくしてしまわないか心配」「亡くなった後に遺言書を見つけてもらえるか心配」などという方のために、自分で作った遺言書を法務局(遺言書保管所)に保管できる自筆証書遺言書保管制度があります。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、内容を秘密にしたまま、存在だけを公証役場で証明してもらう遺言のことです。

秘密証書遺言は、代筆が可能で、パソコンでも作成できます。ただし、署名は自分で手書きをしなければなりません。

サービス内容

項目サービス内容
公正証書遺言の作成支援遺言者様のお話しを伺いながら、遺言書の下書きを作成し、公証人との調整をいたします。また、公正証書遺言の作成当日に、公証役場に同行し、作成の場に立ち会わせていただきます。
自筆証書遺言の作成支援遺言者様のお話しを伺いながら、遺言書の下書き作成を行い、遺言者様ご自身の手書きでの遺言書作成をサポートいたします。
死後事務委任契約書の作成支援(オプション)遺言者様のお話しを伺いながら、契約書の下書きを作成し、公証人との調整をいたします。また、公正証書遺言の作成当日に、公証役場に同行し、作成の場に立ち会わせていただきます。
必要書類の取得(オプション)戸籍謄本(遺言者様の出生から現在まで)や住民票などの取得代行やまたはサポートいたします。
証人の手配(オプション)公正証書遺言の作成には、証人2人の立会いが必要ですが、その手配をいたします。
遺言執行(オプション)当事務所の行政書士を遺言執行者として指定していただき、遺言者様が亡くなられた後に遺言の内容を実行いたします。
ユキマサくん

当事務所の行政書士に依頼していただくと、遺言書を書く人のメッセージを大切にした遺言書が作れます。
また、行政書士自身が性的マイノリティ当事者であるため、同性カップルのパートナー亡き後の備えに特化した遺言書が作れます。

遺言書と一緒に作ることをおすすめする契約(オプション)

死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、ご家族や信頼できる人に、亡くなった後の諸手続や葬儀などに関する事務について代理権を付える契約です。

契約を結んでおくことによって、医療費や介護サービス利用料などの清算、葬儀・納骨・埋葬・永代供養、借家・アパートの明け渡し、役所等の諸手続などを頼めるようになります。この内容は、ご自分と契約を結ぶ人の間でとの話し合いで決められます。

遺言書に書いて法的に実現できることは、相続のこと、財産の処分のこと、お子さんの認知など身分のことなどに限られています。遺言の内容を実行する遺言執行者になってくれる人と契約を結んでおくと、亡くなった後のことをすべて託せるので安心です。

料金表

項目報酬額(税込)※別途実費
公正証書遺言の作成支援110,000円
自筆証書遺言の作成支援55,000円
死後事務委任契約書の作成支援(オプション)55,000円
必要書類の取得(オプション)5,500円/件
証人の手配(オプション)16,500円/人
法務局への保管(オプション)33,000円

遺言執行(オプション)

遺言書では、遺言の内容を実行する遺言執行者を指名することができます。当事務所の行政書士を遺言執行者に指名する場合の料金は、次のとおりです。お支払いは、遺言執行完了後に遺産の中から受け取ります。

遺産総額報酬額(税別)※別途実費
300万円以下30万円
300万円を超えて3000万円以下遺産総額の2%+24万円
3000万円を超えて3億円以下遺産総額の1%+54万円
ご留意事項
  • 上記報酬額の他に、交通費や証明書発行手数料等の実費のご負担をお願いいたします。
  • 上記報酬額の他に、公証人手数料や遺言書保管手数料(法務局)などについて、公証役場・法務局から直接請求があります。
  • 上記報酬額の他に、遺言執行に伴う不動産の相続登記費用や相続税の申告費用などについて、担当した司法書士・税理士などから直接請求があります。

ご依頼の流れ

公正証書遺言の場合

STEP
相談
STEP
委任契約の締結
STEP
報酬・預り金(実費)のお支払い
STEP
ヒアリング・打ち合わせ
STEP
行政書士による下書きの作成
STEP
下書きの説明・調整
STEP
公証人との調整(文案・作成日時等)
STEP
公証役場での作成手続
STEP
報酬・実費のご精算

ご依頼から遺言書の完成まで、1~2か月程度かかります。

自筆証書遺言の場合

STEP
相談
STEP
委任契約の締結
STEP
報酬・預り金(実費)のお支払い
STEP
ヒアリング・打ち合わせ
STEP
行政書士による下書きの作成
STEP
下書きの説明・調整
STEP
遺言者様ご自身による遺言の手書き
STEP
法務局での保管手続
STEP
報酬・実費のご精算

ご依頼から遺言書の完成まで、2週間~1か月程度かかります。

よくある質問

亡くなった後のことは、のこされた家族に任せればいいのではないですか?

現在ご家族全員が元気であっても、あなたが亡くなった時点で、ご家族のなかに認知症や知的障害のある人、未成年者、行方不明者がいる場合は、すぐに相続手続に入ることができません。

また、あなたが亡くなった時点でご家族全員が元気であっても、遺産分割協議がまとまらず、トラブルになる恐れがあります。

法律で相続分が決まっているのであれば、その通りに分ければいいのではありませんか?

財産のなかに不動産が含まれていると、かんたんには遺産分割ができません。

法定相続に従って遺産分割をした場合、自宅などの不動産は現金化してから分割することになります。そうなると、これまで自宅に住んでいた人の新たな住まいを探さなければなりません。

また、分割できないからと、不動産を相続人の共有のままにしてしまうと、売却したり、二次相続(相続人となった人が亡くなることで発生する相続のこと)が発生したときに、たいへんな手間がかかります。

財産が少ないので遺言書を作らなくてもいいですか?

2023年に全国の家庭裁判所で遺産分割をめぐって認容・調停成立となった件の77.5%が遺産5,000万円以下の案件、33.9%が遺産1,000万円以下の案件でした(家庭裁判所「令和5年司法統計年報(家事編) 第53表」より計算)。

このように、財産が少ないから相続トラブルにならないというわけではありません。

誰も遺産相続する人がいない場合はどうなるのですか?

特別縁故者(亡くなった人と生計を同じくしていた人、亡くなった人の療養看護に努めた人、その他被相続人と特別の縁故があった人)が家庭裁判所に財産分与の申立てをすることができます。

そのうえで、特別縁故者への財産分与で余った財産や、特別縁故者もいない場合は、国のものになります。

公正証書遺言と自筆証書遺言のどちらがおすすめですか?

公正証書遺言がおすすめの方は、次のとおりです。

  • 法律の専門家に直接作成に関わって欲しい方
  • 無効や紛失・偽造・廃棄などのリスクを減らしたい方
  • 字が書けなかったり、寝たきりの方
  • 相続財産の内容が複雑であったり、相続人以外に遺産を渡したい方
  • 亡くなった後に家族間でもめそうな方
  • 早く相続手続ができるようにしてあげたい方など

一方、自筆証書遺言がおすすめの方は、次のとおりです。

  • 自分ひとりで作りたい方
  • 作成費用をかけたくない方
  • 遺言を作成したことや、内容を秘密にしたい方
  • 自分の手書きでメッセージを伝えたい方など
どんなときに行政書士に相談したらよいでしょうか?

いつでも、どんな小さなことでも行政書士に相談できますが、とりわけ次のようなときにご相談ください。

  • 遺言書を作ることを考え始めたとき
  • 遺言書の書き方・作り方や、遺言の内容について不安があるとき
  • 自分の希望する遺産配分をしたいとき
  • 相続人以外に財産を渡したいとき
  • 遺産の配分・処分のほかにも、亡くなった後にお願いしたいことがあるときなど

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